2001 Fiscal Year Annual Research Report
風土論的アプローチによる総合的な環境教育カリキュラムの研究
Project/Area Number |
12610256
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
岸本 実 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (80249705)
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Keywords | 風土 / 環境教育 / 授業研究 / カリキュラム |
Research Abstract |
実践的な研究としては、次の二つの授業研究を行った。ひとつは、近江兄弟社高校の小論文の講座において、環境問題についての常識と表現の能力を高めるための研究である。新聞などの資料や報道特集のビデオなどで基本的な認識を育てた上で、紙上討論の形でディベートを行った。その結果、資料からすぐに自分の考えを表現させる場合に比べて、多面的な見方が可能となった。もうひとつは、滋賀大学附属小学校の災害についての授業研究である。風土の指標としては、資源、アメニティ、制約、リスクという4つが考えられるが、ここではその土地のリスクという点から災害の教材に注目した。この単元では火災を中心に扱うのが現状であるが、より総合的に扱う課題がある。 また、膳所城下町の水利用と生活の変遷の教材研究を行った。近世において成立していた循環的な関係が、近代になり崩壊していったプロセスを検討した。紡績工場の立地、道路整備のための湖岸の埋立、博覧会誘致を契機とした商業ゾーンの整備のための埋立、これらに伴う環境変動を、生活のレベルで、聞き取り調査などを行い明らかにした。また、現在親水性を確保するための公園の整備が行われているが、このことによって新たな関係性を築くことができるかどうか考察した。 理論面では、風土をキーコンセプトとしたカリキュラムの到達目標とその評価をどう考えるのかを考察した。
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Research Products
(1 results)