2002 Fiscal Year Annual Research Report
風土論的アプローチによる総合的な環境教育カリキュラムの研究
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12610256
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
岸本 実 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (80249705)
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Keywords | 環境教育 / 風土 / カリキュラム / 総合学習 |
Research Abstract |
今年度は、主に、次の4点の研究を行った。 まず、第一に、実践的な研究として、近江兄弟社中学校・高等学校において、環境をテーマとした教材開発・授業研究を行った。近世の八幡堀を中心とした、物質の循環をテーマとした教材に続いて、その循環が、近代以降どのように崩壊し、環境変動につながったのか、さらに、八幡堀が埋め立てられるという危機を救うために、どのように地域の住民がまちづくりの運動を展開したのかをテーマとした教材を開発し、授業研究を行った。また、その他、環境税等の論争的な問題についてのディベート学習を展開し、それをテーマとした小論文において、中高生の環境認識がどのように発達するのかを検討した。 第二に、滋賀県の場合を中心に、中学校の総合的な学習の時間において、環境学習がどのように実施されているのか、調査を行い、その現状と課題を考察した。 第三に、アメリカ合衆国の場合を中心に、どのような環境教育のカリキュラムが開発されているのか、資料収集を行い、現状分析を行った。 第四に、風土の概念を、より明確にするために、その概念の歴史的な系譜の検討を行った。また、オギュスタン・ベルクの風土概念の検討を行い、その系譜に位置づけた。さらに、風土アプローチの特色を明確にするために、地域環境主義、生活環境主義、郷土教育など、類似のアプローチとの比較検討を行った。
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