2000 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティアプローチによるいじめ・不登校克服プログラムの実証的研究
Project/Area Number |
12610265
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
渡邉 満 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (30127740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上地 完治 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (50304374)
八並 光俊 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70210284)
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Keywords | いじめ / 不登校 / コミュニティアプローチ / コミュニケーション / 協働体制 |
Research Abstract |
本年度は、いくつかの学校を対象に、いじめ・不登校の実態を把握し、その問題の背景や文脈を分析することを通して、いじめ・不登校に関する学校内外の問題点の特定化を試みるとともに、具体的な解決策を仮説的に提示した。 兵庫県の大都市近郊の郡部にあるA中学校の場合では、聞き取り調査の結果、学区内における大規模な新興団地の造成が不登校の主要因として挙げられた。A中学校の教師や、もともとその地域に住んでいた子どもや保護者たちは、教師や学校の権威に基づいたいわゆる伝統的教育観を有していた。それに対して、新興団地に移り住んできた保護者やその子どもたちは、概して、そのような教育観に対して否定的な態度をとっており、この両者のズレが不登校という形で顕在化していた。このような状況に対して、本研究では、不登校の生徒数が特に多い学年をターゲットとして、日常的な授業での取り組みを提案した。それは、他者との行為調整と連帯の形成に主眼を置くコミュニケーションを中心にした授業づくりである。 また兵庫県のB中学校では、いじめ・不登校の問題に対処するために、二重の意味での共通理解の確立という課題に取り組んだ。それは第一に、人権教育のモデルづくりを通して、教育委員会、学校、そして保護者が、問題状況や取るべき解決策に対して共通理解を確立するというものである。これは、立場の異なる3者がそれぞれ他の立場とその立場の基盤にある視点を理解する中で問題を多角的に分析することができるという点と、問題に対して連携して対処することができるという点で重要である。共通理解の第二の意味は、学校内における教師間での共通理解の確立である。これは、コミュニティアプローチによる生徒指導体制を学校内に構築するための不可欠な基盤となる。
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Research Products
(1 results)