2000 Fiscal Year Annual Research Report
学校の組織風土・組織文化認知の多様性を活かした特色ある開かれた学校づくりの研究
Project/Area Number |
12610271
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林 孝 広島大学, 教育学部, 助教授 (30144786)
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Keywords | 学校経営 / 開かれた学校づくり / 学校の組織風土 / 学校の組織文化 / 異質情報 / 家庭・学校・地域社会の教育連携 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)学校の組織風土・組織文化に対する学校に関係する人びとの間に見られる認知の多様性を明らかにして、(2)それら成員間の認知の多様性を特色ある開かれた学校づくりの有意味情報として「異質情報」の視点から、その特徴や差異の特色を実証的に考察し、(3)それら「異質情報」を組織単位で検討し、地域性などの学校のもつ条件性を踏まえて、学校経営のリーダーとしての校長・教頭を中心とした特色ある開かれた学校づくりを推進する方策を明らかにすることである。 本年度においては、学校内の非教授職員(事務職員、養護教諭、栄養職員)の認知する組織風土・組織文化について、及び、校区内の家庭や地域社会の状況に関する認知、学校の提供する開かれた学校としての取り組みに関する認知を中心に調査を実施し、成員間の認知に関する多様性の一端を明らかにした。それぞれの職務内容の特性から、保護者や地域住民との最初の窓口となり易い事務職員にあっては保護者・地域と学校との連携に注目度が高いこと、養護教諭では子どもの成長に関わって学校内の教職員の協働や校長の学校運営に対する注目度が高いこと、栄養職員では特に校区に居住する給食調理員において家庭や地域社会の状況への注目度が高いことなど、学校にとって有意味な情報を得ることが示唆された。 来年度においては、保護者を対象に調査を実施して、学校の組織風土や組織文化として学校の人間関係や教育活動に重要視されている事柄についてのイメージ、及び、学校と家庭・地域社会との連携状況に対する意見を明らかにして、組織単位で、特色ある学校づくりのための個別的な学校改善の取り組み状況との関連を考察するための「異質情報」として有意味な情報の抽出を行う予定である。
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