2002 Fiscal Year Annual Research Report
学校の組織風土・組織文化認知の多様性を活かした特色ある開かれた学校づくりの研究
Project/Area Number |
12610271
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
林 孝 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (30144786)
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Keywords | 学校経営 / 開かれた学校づくり / 学校の組織風土 / 学校の組織文化 / 異質情報 / 家庭・学校・地域社会の教育連携 / 学校評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)学校の組織風土・組織文化に対する学校に関係する人びとの間に見られる認知の多様性を明らかにして、(2)それら成員間の認知の多様性を特色ある開かれた学校づくりの有意味情報として「異質情報」の視点から、その特徴や差異の特色を実証的に考察し、(3)それら「異質情報」を組織単位で検討し、地域性などの学校のもつ条件性を踏まえて、学校経営のリーダーとしての校長・教頭を中心とした特色ある開かれた学校づくりを推進する方策を明らかにすることである。そのため、本研究では、平成12年度に実施した学校内の非教授職員(事務職員、養護教諭、栄養職員)、平成13年度に実施した保護者(組織単位7小学校、PTA役員200名)を踏まえ、平成14年度においては組織単位の調査(小学校9校、教職員悉皆、保護者100〜200名)と協力校への面接調査を実施して、学校内外に開かれた特色ある学校づくりに取り組む公立小学校の実践を整理するとともに、学校改善のための情報発信と情報受信のメカニズムに注目して、学校の組織風土・組織文化に対する成員間の認知に関する多様性を活かした学校にとって有意味な情報獲得の視点を明らかにした。 本研究の期間内において教育改革の進展は加速化され、学校のもつ条件性を踏まえ学校経営のリーダーとしての校長・教頭を中心とした特色ある開かれた学校づくりの推進方策には、学校評価システムの効果的な実働化の視点と結んで、各学校が学校評価の取り組みで得られたデータを介在して「異質情報」の異質さを交流すること、また、学校評議員等を活用して保護者や地域住民とパートナーシップを築く視点が特に重要であることが指摘できる。そのことが、家庭・学校・地域社会の教育連携を推進し、特色ある学校づくりに向けた絶えざる学校改善の推進に寄与すると考えられる。
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