2001 Fiscal Year Annual Research Report
女性の高学歴化に伴う晩婚化と職業キャリアの関連性についての研究
Project/Area Number |
12610287
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
岩木 秀夫 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (90114389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 修一 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (00155334)
村松 幹子 日本女子大学, 人間社会学部, 助手 (90230010)
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Keywords | 女性の職業キャリア / 女性の晩婚化 / 女性の高学歴化 / 女性のライフコース |
Research Abstract |
家族社会学の分野では、青年期に自立するという意識が薄れ、親に経済的に依存することで豊かな生活に満足する晩婚グループが存在することが明らかにされてきた。しかし、晩婚化には、そのようなグループだけではなく、職業的・経済的に自立した後に結婚を考える女性も存在すると思われる。 本研究ではこれら2つのグループを分けて分析することで課題を解明することを目的とする。本年度は以下の作業を行った。 1.昨年度の女子大学卒業生調査(回収率36.0%)のデータ分析を未婚者(317名)と既婚者(846名)別に行った。 2.未婚者の場合、結婚希望年齢を規定する要因を明らかにするため、結婚希望年齢から現在年齢を引いた年齢差を従属変数とする重回帰分析を行った。この年齢差は、現在年齢との関係が強いため、年齢層(29歳、30-35歳、36歳以上)を分けて分析を行った。分析の結果、36歳以上のみ、派遣・アルバイトといった不安定な職業キャリアが年齢差に影響を与えていた。未婚者分析は、『日本女子大学人間社会研究科紀要』第8号,2002年に発表した。 3.既婚者の場合、結婚年齢の規定要因を明らかにするため、結婚年齢を従属変数とする重回帰分析を行った。分析の結果、親と同居し、親に依存した生活をする者の結婚は早いことが明らかになった。先行研究で指摘されてきたパラサイト・シングル仮説(親と同居し、親に経済的に依存した生活をする者の結婚は遅い)は支持されなかった。 4.本年度は、共学大学卒業女性と女子大学(昨年度とは異なるタイプ)卒業生を対象に調査(2001年12月に5000名対象)を行った。昨年度の調査結果と比較するため、調査対象者の年齢と調査票は昨年度と同一である。回収数は828票(未婚者282人、既婚者546人)(有効回収率21.1%)。今後は、データ分析を行い、昨年度調査との比較などを行う予定である。
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Research Products
(1 results)