2000 Fiscal Year Annual Research Report
ノーマライゼーションからQOL、共生への展開と現状に関する研究
Project/Area Number |
12610291
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
三谷 嘉明 北陸大学, 法学部, 教授 (80014760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 健 群馬大学, 教育学部, 助教授 (20173552)
初谷 良彦 北陸大学, 法学部, 教授 (20208531)
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Keywords | 生涯発達 / QOLの原理 / ノーマライゼーションの原理 / 知的障害者 / 共生の原理 / 関係性 / 施設居住 / 面接調査 |
Research Abstract |
知的障害を持つ人のみならず障害を持つ全ての人々への対人処遇の根本原理としてのノーマライゼーション原理は欧米や日本でどのように展開しているか、また1990年代に入ってノーマライゼーション原理からQOLの原理への転換が強調されているが、その理由について文献的検討と福祉施設現場職員への面接調査による研究を行った。さらにわが国独自の思想としての「共生の思想」は教育・福祉の領域でいかなる可能性を有するかの文献的検討を行った。ノーマライゼーション原理は欧米において今尚、原理の普遍化の再検討、矛盾と限界、療育・福祉現場での諸課題等が活発に論議されているが、わが国では現状に即した形での実践が着実に蓄積されていることが現場でのヒアリングを通して明らかになった。また欧米ではノーマライゼーションの原理の理論的・実践的帰結として1980年代後半から1990年代にかけてQOLの概念が創出され、QOLの概念と測定を巡る論議が活発化しているが、わが国でも1990年代からQOLの概念が教育・福祉の領域でも論議され、実践的な取り組みが開始されつつあることがいくつかの知的障害者更生施設・通園施設での面接調査で明らかになった。さらに、われわれはノーマライゼーションの原理とQOLの原理を統合する原理としての「共生の思想」に着目し文献的検討を行ったが、この思想は欧米であまり重視されていないことが文献的に明白で、その理由の検討が課題である。われわれは日本独自の教育・福祉思想の構築を目指しているが、欧米で注目されず日本で重視される「共生の思想」の多角的な検討が今後の課題として残されている。
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