2002 Fiscal Year Annual Research Report
障害のある子どものコミュニケーション関係評価・支援プログラムの開発
Project/Area Number |
12610305
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Research Institution | NATIONAL INSTITUTION OF SPECIAL EDUCATION |
Principal Investigator |
松村 勘由 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 研究室長 (30280572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 泰美 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 主任研究官 (80249945)
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Keywords | 関係観察 / 関係障害 / コミュニケーション関係 / コミュニケーション障害 / 言語障害教育 / 内省記録 / 指導日記 / 通級による指導 |
Research Abstract |
障害のある子どもと周囲の子ども達、子どもと教師、子どもと家族等の中で生じている様々なコミュニケーション関係に関わる問題について、子どもと周囲の人たちとのコミュニケーション関係を把握する方法の開発とコミュニケーション関係の改善に向けての教育的な支援の方策を検討した。 コミュニケーション関係の把握に関しては、関係を関わり手の内面に映じた対象の姿を通して捉えるという基本的な視点を確認し、以下のような方法をもとに関わり手から見た対象とのコミュニケーション関係を把握することができること等の知見が得られた。(1)関わり手が対象との関わりに中で生じる様々な思いを記述した指導日記を分析することで捉えることができる。(2)関わり手が指導記録を手がかりに子どもとの関わりの中で生じた思いを内省した「振り返り記述」を資料とすることができる。(3)子どもとの関わりを記録したビデオや録音を手がかりにして、子どもとの関わりの中で生じた思いを振り返り内省した記述を資料とすることができる。(4)話し合いや面接の場面を通して、関わり手が他者に対象との関わりを語る内容を通して対象とのコミュニケーション関係を捉えることができる。(5)手紙やメールを通して、関わり手が対象との関わりを他者との間で伝え合う記述の分析から、対象とのコミュニケ-ション関係を捉えることができることなどである。 コミュニケーション関係の改善に向けての教育的な支援の方策に関しては、関わり手が内省記録などを通して、自分と子どもとの関係を対象化していくということが必要であり、その中で自分の対象の見つめ方・捉え方を変え、関係改善に導くことができること等の知見が得られた。さらに、そうした対象への意識に関わり手と対象とを取り巻く周囲他者との関係にどう関与しているか等の課題が提起され今後の課題として残された。
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