2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610309
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井上 研二 広島大学, 総合科学部, 教授 (50243522)
|
Keywords | 旧ソ連 / ロシア / 民族紛争 |
Research Abstract |
平成12年度は、研究計画に基づいてウクライナおよびバルト3国とロシア連邦との関係を、主として言語・文化の面から考察するうえでの実態調査のため、夏休み期間の約1ヵ月を費やして上記の5ヵ国を歴訪し、各国の大学、図書館、その他の文化施設を訪れるとともに、関係図書や新聞雑誌の収集を行ってきた。ウクライナおよびバルト諸国では予想をはるかに上回るスピードで「ロシア語離れ」および「ロシア離れ」が進行していた。ウクライナでは地域によって異なるが、クリミア地方ではロシア系住民が多数を占めることから、依然としてロシア語、ロシア文化が支配的である。これに対し、西部地域や首都キエフではロシア人、ロシア語に対する反感が強く、たとえば、キエフ大学での教育はロシア語からウクライナ語に切り替わっていたし、地下鉄等の駅名表記や車内のアナウンスもすべてウクライナ語だけとなっている。バルト諸国も国によってそれぞれ微妙に異なるが、ロシア離れ、ロシア語離れの傾向は共通している。この現地調査、実体験をもとに、その成果の1部を「世界週報」(2000年12月19日号、81巻48号)に「ロシアと不即不離の関係保つウクライナ」と題する小論を発表した。
|