オーストラリア諸地域における先住権紛争の事例集成と分析

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12610312
• Research Institution: Kyoto Seika University
• Principal Investigator: 細川 弘明 京都精華大学, 人文学部, 教授 (70165554)
• Keywords: 先住民族 / 先住権 / 土地権 / 水域権 / アボリジニー / 開発権 / 資源主権 / 鉱山開発

Research Abstract

1)オーストラリア先住民族(アボリジニ)の土地・水域権をめぐる係争事例について網羅的に情報収集した。水域権には河川・河岸を争うものと海域・海岸・干潟・環礁を争うものを含めた。狭義の土地権法(連邦の修正先住権原法と各州の先住民土地権利法)の対象とならない事例でも、資源主権・環境権・交渉同意権(RTN)に立脚する紛争は対象とした。主な情報源は、マスコミ報道、諸々の先住民族組織や土地評議会の発信媒体、AIATSIS/NARU彙報、環境保全団体からの通報、個別事例の当事者・関係者へのインタビューなどである。
2)収集事例を分析し、FileMaker Pro-J5を用いてMac OS X 10.2.4上に簡易データベース化した(容量3.2MB、件数1335件)。インターフェイスとして11種類の画面レイアウトを用意し、検索目的に応じて使い分けられるようにした。
3)特に詳細に情報収集を試みたのは、ヴィクトリア州のヨダヨダ先住権訴訟(控訴審)、ニューサウスウェールズ州の西部区域先住権訴訟、西オーストラリア州のバラップ半島開発交渉、同州のマランドゥ鉄鉱山開発交渉などである。
4)1月27日から31日までキャンベラ市のオーストラリア国立大学および国立先住民研究院(AIATSIS)を訪問し、研究部において情報・意見交換するとともに、資料室で資料を検索・閲覧・複写・購入した。

Research Products

• [Publications] 細川弘明: "オーストラリアにおける先住権復活をめぐる1995年以降の状況"先住民族の10年News. 90. 6-9 (2002)
• [Publications] 槌田 劭, 嘉田由紀子(編): "水と暮らしの環境文化"昭和堂. 154 (2003)