2001 Fiscal Year Annual Research Report
55年体制の基礎過程〜1950年代の知事選挙と地域開発〜
Project/Area Number |
12610326
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
功刀 俊洋 福島大学, 行政社会学部, 教授 (60153318)
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Keywords | 知事選挙 / 保守分裂 / 野党連合知事 / 医師会と県政 / 地域開発と県政 / 大原博夫 / 三木行治 |
Research Abstract |
平成13年度は、1950年代の知事の伝記・回想録および県政史に関する文献を購入した。そして、7月に大分県、8月に広島県、10月に岡山県に調査に行き、高度成長前半期の各県の知事選挙に関する資料を収集し、これらの文献と資料によって知事選挙の政治構造を分析した。また、1月には来年度の準備のため、山形県に予備的調査に行った。 1951年1月の広島県知事選挙は、前職の後継者で自由党・池田勇人蔵相が推薦した和久田鉄雄(副知事・内務官僚)と社会党と国民民主党の野党連合の大原博夫(元衆議院議員、元県医師会長)との新人対決となり、大原が圧勝した。このような結果になった原因の第一は、与党自由党県連の候補選考の失敗であり、第二は、県レベルの選挙における医師会と県教祖の動員力の発揮であった。他方、1951年4月の岡山県知事選挙は、自由党推薦の現職西岡広吉(内務官僚)に社会党・国民民主党の野党連合の新人三木行治(厚生官僚)が挑戦し、三木が圧勝した。この選挙の背景には、西岡知事と自由党県議団との与党内部の不和があり、県議選挙と知事選挙が同日であったことが西岡派の選挙運動の空洞化をまねいた。また、ここでも県教祖と医師会の組織力が三木派の勝因の一つとなった。
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Research Products
(1 results)