2000 Fiscal Year Annual Research Report
西南非領国地域における近世被差別部落史の総合的研究
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12610338
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
豊田 寛三 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (70034585)
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Keywords | 近世被差別部落史 / 延岡藩豊後領 / 千歳役所日記 / 佐伯藩「町方・郡方日記」 / 「府内藩日記」 |
Research Abstract |
本年度の研究実績については,大きく4つに分けられる。 1は,明治大学に所蔵されている日向延岡藩関係の記録(内藤家文書)の閲覧・複写の交渉,打ち合わせと若干の閲覧である。内藤家文書には,豊後3郡(大分・国東・速見)2万石余の延岡藩豊後領支配の拠点であった千歳役所(大分郡)の千歳役所日記(100年余)がある。その結果,延岡藩豊後領において全領域を管轄する穢多頭は,かって私が近世被差別部落成立過程の問題について検討していた新貝村(大分郡)に配置されていたことが判明した。これによって,従来前期・後期で断絶していた被差別部落史研究が通史的・総合的に検討できる見通しがついた。 2は,佐伯藩「町方・郡方日記」の閲覧・複写である。これによって従来被差別部落がないとされていた佐伯藩領域においても被差別部落が存在することの確認ができた。今後,詳細な閲覧検討によって,佐伯藩被差別部落の特質が解明できる見通しがついた。 3は,府内藩被差別史料の抽出・採訪である。200年にわたる膨大な「府内藩日記」から関係史料をコンピュータに入力することができた。 4は,近隣諸県下における関係史資料及び文献の調査である。先進研究県である福岡・広島について調査を行った。 いずれも研究は緒についたばかりであり,本格的な分析検討は次年度に行う。
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