2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610345
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
小山田 和夫 立正大学, 文学部, 教授 (90147934)
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Keywords | 平安京の宗教的環境 / 平安遷都 / 『日本紀略』写本の残存状況 / 大将軍八神社 / 北野天満宮 / 東寺の創建と仏像 / 鞍馬寺の創建と仏像 / 朱雀大路とその後 |
Research Abstract |
平成12年度は、研究の第一年目であり、平安京の宗教的環境を考察するための基本的な史料の収集・整理を中心とした調査・史料収集を実施した。便宜上3つの時期に区分し、平安遷都が行われた時期より10世紀までに重点を置きながら、併せて平安京の宗教的な環境が成熟する11世紀にも注目しながら、関係する史料の収集に努めた。 詳細は次年度末の報告書において述べるが、平安京の西北隅、一条大路に位置していた「大将軍八神社」の創建から隣接する地への北野天満宮の創始、東寺の創建と諸仏像の安置、鞍馬寺の創建と仏像安置など、新たな史実を解明するための基本的な実地踏査も繰り広げながら、関係した史料の収集・整理に力を注いだ。 平安遷都の出来事を記した国史は欠失しているものの、幸い、『日本紀略』の中に部分的な記述があり、この点をさらに補うため、関係史料収集に努めるとともに、『日本紀略』の写本の所在調査も実施し、写本の残存状況から、平安時代以降における史料の書写というものが、どのような経緯で行われていたかという点についても、ある程度研究することが出来た。 調査の対象とした平安京の現在の状況、すなわち京都市内における道路の事情についても調査し、平安京の朱雀大路の北側に展開したものが、平安京の宗教的な環境を大きく変えたことも新たに見出だすことが出来た。この点についても、次年度にさらに調査を重ねながら、年度末の報告書の中で詳細に論述する所存である。
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