2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610348
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
福島 金治 愛知学院大学, 文学部, 教授 (70319177)
|
Keywords | 金沢北条氏 / 称名寺 / 荘園 / 経営 / 鎌倉 |
Research Abstract |
金沢北条氏・称名寺の所領とその機能を研究するために,幾内近国とその周辺地域を素材に検討を行った。視点は,北条氏の全国支配の進展にともなって六波羅探題などの職務をになって,北条氏一族とその被害が西国に居所を移すことにより,北条氏・称名寺の家産,経営がどのように変化したかをみる点においた。具体的な対象には,(1)河内国楠葉牧(大阪府枚方市,将軍戦式用器調査の場),(2)丹後国大る荘(京都府野田川町、六波羅料所),(3)因幡国千土師郷(鳥取県智頭町称名寺京都雑掌用途調査の場)とした。合析の結果(2)(3)の場合は機能を特化しており,関東に年貢を送付するのでなく,京都での滞在用途調達の場をなっていた。所領がそれぞれ特有の機能を果たして北条氏の全体的支配を下支する構造をとっていたのである。 この他,文書資料で現地支配の不明な金沢北条氏の伊勢国支配について,従来,文化史の宗教史の方から使用された印信や聖教などの寺社資料を使用して,僧と寺のネットワークを明らかにし,これと北条氏の支配がどのようにリンクしているのが,検討を行った。
|