2001 Fiscal Year Annual Research Report
近世日蘭貿易における輸出商品の推移とアジア市場の動向
Project/Area Number |
12610351
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Research Institution | Hanazono University |
Principal Investigator |
鈴木 康子 花園大学, 文学部, 助教授 (00281501)
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Keywords | オランダ東インド会社 / 日本銀 / 長崎貿易 / 出島 / ソーマ銀 / ファン・デル・ワイエン / 平戸オランダ商館 / インド貿易 |
Research Abstract |
まず、昨年4月に提出した研究実施計画に沿って述べてゆきたい。(1)平戸時代の銀貿易 この日蘭貿易の繁栄期における銀の輸出額や輸出された種類について明らかにした。また、1630年代前半まで銀輸出の大半はソーマ銀であったが、その「ソーマ」の語源について従来論争があった。ここではさまざまな史料より、それが形状からくることを証明した。(2)世界市場における銀市場 アメリカ銀の大量流入の影響を受け、アジアでの重要な資本とされていた日本銀の役割が低下し、また中国貿易の不安定さもあり、1640年代から日本銀の輸出が停滞したことを論述した。(3)銀輸出禁止令 オランダは主にインド南部で重要な資本となった金が、中国貿易不振により著しく不足する事態を招いた。これにより、1660年代にはオランダは日本から銀よりも金(小判)を輸出することを強く望むようになり、一方日本側も銀の輸出抑制政策を推進していた時期にあたり、両者の利害が一致して、1668年にオランダに対して銀が完全に輸出禁止となったことを明らかにした。(4)博士論文の総論 これについては、まず、今後の布石としてこれまでの近世日蘭交渉史の研究史をまとめた。(5)日本銭の輸出 これについては、今後の課題として残されている。(6)日蘭関連資料の紹介 1756年に記された「日本におけるオランダ東インドの取引に関する記述」(オランダ東インド文書)を翻訳した。これは、1740年代に3回日本商館長を務めたファン・デル・ワイエンにより作成されたものである。これにより、当時の日蘭貿易の実態が明らかとなる。以上の研究により、博士論文「近世日蘭貿易史の研究」(全9章、添付史料1点)が一応の完成をみた。
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Research Products
(1 results)