2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610352
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
西本 昌弘 関西大学, 文学部, 教授 (00192691)
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Keywords | 年中行事秘抄 / 江家年中行事 / 大江匡房 / 中原師遠 / 中原師元 / 東山御文庫 / 藤原行成 |
Research Abstract |
研究の最終年度にあたる本年度は、これまでに収集した紙焼写真などをもとに、『江家年中行事』と『年中行事秘抄』の記事を対照しつつ一覧表に入力し、相互の共通性と異質性を分析した。また、写本調査の成果をも総合して、『江家年中行事』と『年中行事秘抄』の関係を洗い直し、後者の編者が大江匡房であった可能性を指摘した。 (1)日本古代の年中行事書に関する図書を追加購入し(備品費)、最新の研究成果の吸収と分析につとめた。 (2)昨年度、国立歴史民俗博物館で調査した『叙除拾要』という古写本が、以前から捜索していた藤原行成の除目書であることを確認し、その概要について考察するとともに、全文の翻刻を行った。 (3)静嘉堂文庫本『江家年中行事』と大東急記念文庫本『年中行事秘抄』の2書に絞って、本文・頭書・裏書などの記事対照表を作成することとし、データ入力を急ぎ完成させるととに、校訂と補正につとめた(謝金)。この一覧表を分析した結果、『年中行事秘抄』は『江家年中行事』の項目を基本的に継承していることが判明し、その編者は大江匡房である可能性が高まったと思われる。 (4)東山御文庫には静嘉堂文庫本とはやや異なる『江家年中行事』写本が伝来する。両種の『江家年中行事』の記事を一覧表で対照した結果、東山本が南北朝時代に増補された写本であることが判明した。
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Research Products
(1 results)