2000 Fiscal Year Annual Research Report
近世関所の研究-東海道箱根関所・日光道中栗橋関所を中心として-
Project/Area Number |
12610353
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
丸山 雍成 西南学院大学, 文学部, 教授 (80037001)
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Keywords | 関所手形 / 口留番所 / 入鉄炮 / 出女 / 判鑑 / 旅行 / 三つ道具 / 江戸藩邸 |
Research Abstract |
本研究では、まず東海道箱根関所史料のうち、かつて筆者らが蒐集・刊行した箱根関所史料会編『東海道箱根宿関所史料集』1〜3(編代表・丸山、1332頁)、および箱根古文書を学ぶ会編『箱根御関所日記書抜』上・中・下(941頁)以外の史科蒐集に努めた。その際、小田原旧藩主稲葉家の寛永18年〜天和3年『日記書抜』、正保2年〜延宝4年『御自分日記』『永代日記』をマイクロ複写によって収録、小田原市立図書館蔵『片岡文書』1、13、『小田原史料覚書』『足柄史叢』1〜3、『断鳳片鱗』の関所関係分を中心に全面収録した。また、箱根町立箱根関所資料館の展示史料中にも未見分があり、同町芦野湯の元文2年『諸色御用写覚』以下の分も撮影・コピーした。このほか、韮山町江川文庫の慶応元年『相州箱根御関所修復出来形帳』は、限定出版されたが、原史料を撮影して、印刷分と照合した。 箱根関所の裏(脇)関所関係としては、仙石原関所-箱根町仙石原の勝俣家文書、川村関所-山北町の山崎家・鈴木家文書、矢倉沢関所-南足利市矢倉沢の田代家・遠藤家文書、また、開成町の瀬戸家・諸星家文書に矢倉沢・谷ヶ村両関所の史料を一部含むことが判明、収録し、小出原市立図書館蔵の『根府川関所日記書抜』を撮影、現像した。 一方、日光道中栗橋関所史料は、埼玉県栗橋町北の足立家・加藤家・島田家(旧関所番人)史料のうち、厖大な数量を誇る足立家の埼玉県立文書館寄託分はすべてマイクロ複写により焼付済みである。また、残りは、直接撮影して焼付けた。そのほか、栗橋家本陣・名主・問屋の池田家文書の整理作業を継続中で、この中の多くの関所関係史料の撮影には未着手であるが、本年度中に撮影の予定である。なお、栗橋宿の日光道中沿いの幸手・中田両宿史料、宇都窩市内にかつて流出した栗橋関所関係の史料の収録を計画中である。 他に予定した各地域の史料蒐集は、順番を変更して次年度まわしとなった分もあるが、その多くは部分記述的史料の範疇に属する。
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