2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610368
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
辻 正博 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (30211379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 洋介 富山大学, 人文学部, 助教授 (10293276)
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Keywords | 法制史 / 中国 / 沙門島 / 刑罰 |
Research Abstract |
前年度に引き続いて、唐宋時代の法制関係資料を整理し、初歩的な分析を行なった。また、帰義軍時期を中心とする敦煌の法制関連資料を収集し、ファイリングしてデータベースに組み込む作業も並行して進めている。 辻と徳永は、平成13年8月下旬に中国(主に山東省)において調査旅行を行ない、宋代の配流地として名高い沙門島に関する資料を重点的に収集した。本土と沙門島の位置関係、風土・気候など文献史料からはなかなか窺い知れぬ事柄について、身をもって知ることができたのはたいへん有意義であった。 敦煌文書と法制史研究との関わりについて、平成13年11月に開催された日中協同ワークショップ「草創期の敦煌学」において、辻が研究報告(「草創期の敦煌学と日本の唐代法制史研究」)を行なった。その概要は次の通りである。 20世紀初頭に発見された敦煌文書は、中国法制史研究の分野にも大きな影響を与えた。文書のかなりの部分が欧州に持ち去られたため、研究者は大変な努力を払ってその閲覧に出かけ、文書の抄写や写真撮影を行なった。持ち帰られた資料は、研究者のサロンで共有して利用されたことも多い。1933年に『唐令拾遺』を発表した仁井田陞も、こうした資料共有の裨益を受けたひとりである。仁井田が欧州に赴いて自ら原文書の調査を行うのは戦後になってからのことであるが、それ以前にも、あらゆるチャンネルを利用して熱心に関係資料を収集し、次々と優れた成果を発表しているのである。
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Research Products
(2 results)