2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610376
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Research Institution | OBIRIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
町田 隆吉 桜美林大学, 国際学部, 助教授 (50316923)
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Keywords | 吐魯番 / 漢語文書 / 仏寺 / 寺院経済 / 麹氏高昌国 / 唐・西州 |
Research Abstract |
本研究は、吐魯番盆地から出土した高昌郡時代から唐・西州時代に及ぶ漢語文書の中から、仏教寺院関係文書を取り出して整理を行い、特に麹氏高昌国時代から唐・西州時代に至る寺院経済の実態と意義を明らかにしようと試みたものである。 本年度は、こうした漢語文書のなかから、麹氏高昌国時代における紀年が記された文書を中心に、そこに見える僧侶名を手懸りにして、僧侶名の記された無紀年文書の年代推定ができるようにするための僧侶名の整理を行い、そうした作業をおおむね終えることができた。 ついで、僧侶名の記された経済文書にもとづいて、麹氏高昌国時代における寺院の経済活動と対比しながら、同時代における僧侶個人の経済活動に対して検討を行った。その結果、この時代の僧侶のなかには寺院や居宅などの不動産を所有するものがおり、そのうち居宅については、俗人同様、売りに出しているものがいたことが明らかになった。くわえて僧侶は必ずしもすべてが寺院に常住していたわけでなく、なかには親族と同居するものや、他人の部屋を借るなどして生活するものの姿も確認できた。 さらに、僧侶個人として一般の耕地や葡萄園などの土地を所有し、それらを直営地とするものが存在した。また経済的に弱い周辺農民から土地を小作する場合も見られた。葡萄園を経営し、そこから生産された葡萄から葡萄酒を製造するものもおり、さらには醤や酢などの醸造業者に金銭を貸しつけ製品で返済させる僧侶もいた。こうした俗人とかわらぬ経済活動や総人口に占める僧侶の数の多さなどを理由に、麹氏高昌国は僧侶や寺院に対しても俗人とほとんどかわらぬ税役を課していたものと考える。
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Research Products
(1 results)