2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610382
|
Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
李 開元 就実女子大学, 文学部, 教授 (60312138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 郁 就実女子大学, 文学部, 教授 (00027541)
|
Keywords | 軍功受益階層 / 支配階層 / 官僚体制 / 管制 / 法制 / 爵制 |
Research Abstract |
1)本年度は、『史記』、『漢書』、『前漢紀』などの文献史料の整理がかなり進んでおり、前漢中期と後期における中央・地方の官員を全部抽出し、個人履歴書の形式でそのデータの大半がほぼできた。このデータを完成し、さらに精密化にする上に、出土史料とかみ合わせ、漢代支配階層の変動と社会の変化についていっそう分析してゆきたい。漢の中期においては、漢初軍功受益階層の後を継ぐものとして漢政権の支柱となった軍吏と法吏を分析の重点におきたいが、漢の後期に儒教の台頭と伴う新興政治勢力の儒吏についての分析に力を入れたい。漢代400年の司法の中核に位置をしめる廷尉について、計画で述べたように、本年度は作成されたデータ・ベースを軸に使い、『史記』『両漢書』だけで約340に近い史料を抽出し、精密に検討を加えた。また、「廷尉」の属官である賊曹、法曹はじめ、各種の法吏や獄えん、獄吏についても、現存文献資料のほぼ全部をあたり、関係資料が蒐集できた。こうした史料に基づき、最終的には、漢代の中央と地方の司法担当官吏の体制とその性格を論述する。その場合、なぜ彼らの多くが「酷吏」と称して難され易いのかという視点を一つの切り口とする。 (2)司法と密接に関係する、漢代の法制、すなわち「律」について、最近江陵張家山の漢墓247号の竹簡の全貌が明らかにされた。とくに「二年律令」は貴重な資料であり、これを従来の研究に加え、比較検討することにより、改めて漢代の法制の一面が明らかにできるよう努力したい。
|