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2000 Fiscal Year Annual Research Report

古代末期ガリア社会像の再構築に向けて-紀元4〜5世紀を中心に-

Research Project

Project/Area Number 12610399
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

後藤 篤子  法政大学, 文学部, 教授 (20195928)

Keywordsゲルマン諸王国成立期 / ガリア / シドニウス・アポリナーリス / 書簡集 / 「反ゲルマン主義」 / エスニシティ / カトリック / アリウス派
Research Abstract

交付申請書「本年度の研究実施計画」に記した通り、シドニウス・アポリナーリスの書簡集の読み直しを進めている。シドニウスに関する旧稿では安易に「アンティゲルマニズム(反ゲルマン主義)」という表現を使用したが、シドニウスが嫌悪したのは「ゲルマン」が象徴する「粗野さ」であり、しかもその「粗野さ」は必ずしもエスニシティに結びつくものではないという観点から、西ゴートやブルグンドに対する彼の現実的対応を再考している。また旧稿では、シドニウスにとってカトリックは、アリウス派信奉の「ゲルマン」に対峙して、ゲルマン諸王国成立期のガリアをなお「ローマ」的ガリアたらしめるものであったと位置づけ、クレルモン司教となった後のシドニウスのキリスト教に対する内面的変化をあまり評価しなかったが、その点も考え直しつつある。とくに、西ゴート王エウリックの侵寇によるクレルモンの孤立状況を伝える書簡を巻頭に置く第7巻は、シンプリキウスのブールジュ司教叙任(470年)に関わる第5・8・9書簡を、カトリック司教たちが交渉したオーヴェルニュ地方の西ゴートへの割譲(475年)に関連する第6・7書簡が分断する、という特異な配列になっているが、その7巻収録の書簡の選定・配列についてのシドニウスの意図を読み解くことが、シドニウスにとってアリウス派問題が持つ意義や、彼が抱く理想的司教像を考察する上で有力な手がかりになると思われ、受取人の分析も含めて考察を進めている。

URL: 

Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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