2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610407
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
堀井 健一 長崎大学, 教育学部, 助教授 (20190233)
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Keywords | 民主主義 / アテネ / 近代 |
Research Abstract |
今年度の研究計画は当初,研究対象として古典期のアテネ民主制に関するプラトンらの著作と建国初期のアメリカ合衆国および近代イギリスとしていた。具体的には近代のアメリカ・イギリスについて『Federalist』などのいわゆる建国の父たちの諸著作やJ.Gilliesの歴史書を吟味して,その中で古代アテネ民主制がどのような形で理解されているかを探ることを試みようとした。 元々は古代史家である研究者が近代史に臨むという冒険的試みのため補助金交付後スムーズに研究を進められるように補助金の交付前から少しずつ関連文献を収集することに努めていた。だが,私立大学からの転勤に伴い,これまで収集してきた文献を手放さざるをえなかった。これは本研究の進行にとっては痛手であった。 だが,J.Gilliesの『ギリシア史』全8巻を私費で入手していたので,今年度の前半はこれの分析に努めた。また,本研究の先行研究としてJennifer T.Robertsの研究書があるので,それの分析にも努めた。後半は本補助金にて購入したW.Mitfordの『ギリシア史』などを分析し始めた。 転勤に伴い従来研究者が研究してきた古代史の関係の文献も一から収集しなければならず,本研究で得た近代史の知見と古代史の文献との比較研究のための作業の進行に支障が生じた。このために,今年度は残念ながら学術雑誌等への研究成果の公表までには至らなかった。
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