2002 Fiscal Year Annual Research Report
前方後円墳時代の首長ネットワークに関する多角的研究
Project/Area Number |
12610418
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
倉林 眞砂斗 城西国際大学, 経営情報学部, 助教授 (90186495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 秀実 くらしき作陽大学, 食文化学部, 助教授 (40264577)
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Keywords | 前方後円墳 / 楕円筒埴輪 / 隆起斜道 / 掘割墓道 / 葺石 / 石棺石材 / 段築成 / 前方部隅角 |
Research Abstract |
(1)平成12年度に備えた主要設備を用いて、発掘調査によって墳端が明らかにされた前方後円墳の分析及びデータ化を引き続きおこなった。前方後円墳の段築成原理に関する仮説検証をおこなうにあたっては、やはり発掘調査事例をもとにして、円墳の段築成状況を併せて把握することが欠かせないと考えるに至った。 (2)奥の前1号墳の第4次・第5次発掘調査を実施した。中心埋葬である石棺の部材搬入を念頭においた、かなりいびつな形状を呈する墓坑をもつことが判明した。また、角礫を用いた葺石の遺存状況は悪く、墳丘築造企画の復元推定には、かなり手間取ることが予想される。一方で、吉備地方では稀有な楕円筒埴輪が一定量出土し、改めて畿内中枢との濃密な関係を窺わせた。さらに、前方部の東南隅角では、方形状の配石遺構を検出し、奥の前1号墳との関係も含めて、その機能的役割が注目される。 (3)石棺石材(凝灰岩)の採取地に関する情報収集および探索をおこなったが、現在のところ、採取地を特定するには至っていない。
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