2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島における後期旧石器文化の始源に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12610421
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松藤 和人 同志社大学, 文学部, 助教授 (90288598)
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Keywords | 中期旧石器 / 後期旧石器 / 石刃技法 / 現代型サピエンス / 瀬戸内技法 |
Research Abstract |
研究初年度に当たる本年度は、国内・国外での関連資料の調査をおこなった。 2000年8月10日〜25日、宮崎県西臼杵郡日之影町出羽洞穴の第4次学術発掘調査を実施した。地層の堆積状況、縄文時代草創期、複数の旧石器の包含層を層位的に把握し、基礎的な情報を収集した。また火山灰分析・年代測定用の試料等を採取し、併せて日之影川流域の先史時代遺跡の一般調査を実施した。出羽洞穴の出土資料については、現在整理中である。 2000年10月20日〜22日、長崎県北松浦郡小値賀町大坂遺跡出土の後期旧石器の資料調査をおこない、併せて遺跡の立地、堆積状況について観察をおこなった。 2000年11月28日〜30日、韓国大田市龍湖洞遺跡、江原道長興里遺跡、同上舞龍里遺跡出土の後期旧石器を中心とした資料調査を漢南大学校、江原大学校、揚口先史博物館で実施し、あわせて長興里遺跡・全谷里遺跡の現地踏査をおこなった。 2000年12月23・24日、福島県立博物館で開催された東北の旧石器文化を語る会主催の公開討論のパネラーとして、前・中期旧石器捏造問題に関して後期旧石器研究者の立場から積極的な発言をおこなった。 2001年2月15〜18日、韓国漢陽大学校文化人類学科裴基同教授を九州に招聘し、人吉市大野遺跡の調査現場において地層・出土遺物の観察・検討を共同しておこなった。また熊本県教育委員会・熊本大学所蔵の後期旧石器時代初頭を中心とした石器群(石の本遺跡、曲野遺跡、耳切遺跡、狸谷遺跡、潮山遺跡、象ヶ鼻遺跡、西原遺跡)を観察し、遺物の詳細な検討とともに九州・朝鮮半島における後期旧石器時代石器群の変遷について情報交換をおこなった。
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