2000 Fiscal Year Annual Research Report
埴輪工人の移動からみた古墳時代前半期における技術交流の政治史的研究
Project/Area Number |
12610422
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
古谷 毅 東京国立博物館, 学芸部・考古課, 原史室長 (40238697)
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Keywords | 古墳 / 形象埴輪 / 埴輪工人 / 技術交流 |
Research Abstract |
高い技術的専門性が要求される形象埴輪を樹立する古墳は、古墳時代前半期に近畿地方から各地方に急速に拡大するが、その背景には埴輪製作工人(技術者)の派遣を想定することができる。 このような古墳は、前期末(4世紀後半〜末)頃と中期中(5世紀前半〜中)頃に西日本に集中することから、今年度は初年度として近畿地方以西の資料および文献の調査を行った。資料は奈良県御所市宮山古墳・徳島県小松島市大代古墳・熊本県宇土市向野田古墳出土資料などで、ほかに各県内関連資料の調査および文献収集も行った。 また、東京から遠隔地の広島・山口・福岡・佐賀・熊本・愛媛県および奈良県在住の古墳研究者を研究協力者として依頼し、大分市において当該期の形象埴輪に関する研究会を開催した。ここででは各地の資料の調査状況について報告会を行ったほか、今後の地域調査計画についての打ち合わせと調査協力について協議した。引き続き、作業の能率化を図り、研究協力者とともに、大分市亀塚古墳・大臣塚古墳・大在古墳・御陵古墳、三重町立野古墳出土埴輪の実測・撮影などの資料調査を行った。 このほか、大学院生に研究補助を依頼し、写真・図面などの調査資料と文献資料の整理を進めるとともに、当該期の基準資料である東京国立博物館蔵の宮崎県西都市西都原古墳群および群馬県赤堀町茶臼山古墳出土資料の接合・分類を進め、実測などの調査を実施した。また、研究会の開催および調査活動に必要な資料を編集して資料集を作成したほか、基本資料となる報告書などの必要文献の購入も行った。
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