2001 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本語の話しことばに特有の主題・とりたて助詞に関する実証的研究
Project/Area Number |
12610438
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
野田 尚史 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (20144545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 久実子 慶應義塾大学, 国際センター, 講師 (30296769)
庵 功雄 一橋大学, 留学生センター, 助教授 (70283702)
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Keywords | 主題 / とりたて / 話しことば / 現代日本語 |
Research Abstract |
今年度は,次の(1)から(3)の調査・研究を行った。 (1)日常会話の録音・文字化 (2)補助的に使う話しことば資料の収集 (3)既存資料を使った話しことばの主題・とりたて助詞の分析 (1)については,平均30分程度の会話を約10本,MDに録音し,その文字化を行った。録音された会話は,話しことばの特徴が出やすいインフォーマルなものが多い。文字化した資料から,話しことばにおける主題・とりたて助詞のおおよその傾向を知ることができるようになった。 (2)については,補助的に使う話しことば資料として,伴一彦の全シナリオなどをパソコン上で使えるめどをつけた。 (3)については,既存の話しことば資料である『女性のことば・職場編』や「男はつらいよ」シリーズの映画シナリオを使って,話しことばの主題・とりたて助詞の出現傾向や用法などについて,おおよその傾向を分析した。その結果,書きことばと話しことばによって主題・とりたて助詞の出現傾向に次のような違いがあることがわかり,今後は,書きことばにはほとんど表れない話しことば特有の主題・とりたて助詞を分析していくことにした。 (a)書きことば中心に使われるもの:「こそ」「なら」「ばかり」など (b)話しことば中心に使われるもの:「なんか」「だって」「とか」など (c)書きことばにも話しことばにも使われるもの:「も」「しか」「だけ」など
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