2002 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本語の話しことばに特有の主題・とりたて助詞に関する実証的研究
Project/Area Number |
12610438
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
野田 尚史 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (20144545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 久実子 慶應義塾大学, 国際センター, 講師 (30296769)
庵 功雄 一橋大学, 留学生センター, 助教授 (70283702)
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Keywords | 主題 / とりたて / 話しことば / 現代日本語 |
Research Abstract |
現代日本語の主題・とりたて助詞のうち、これまでほとんど研究が行われてこなかった話しことばに特有の「って」「だって」「なんか」や無助詞などを中心に、書きことばに現れる主題・とりたて助詞との違いを明らかにした。 その成果は、研究成果報告書に収録された次の7編の論文にまとめられている。7編のうち最初の3編は主題に関するもの、次の3編はとりたてに関するもの、最後の1編はとりたての周辺形式に関するものである。 (1)主題を提示する「って」-「って」主題文の一側面-(高橋美奈子) (2)談話における無助詞主題に関する一考察(庵功雄) (3)主述構造と連体修飾構造に対する主題のあり方 -話しことばのテクストに見る属性叙述-(澤田浩子) (4)話しことばにおけるとりたて助詞「だって」の機能と意味(中西久実子) (5)いわゆる低評価を表すとりたて助詞「なんか」について(中西久実子) (6)現代語の特立のとりたて(野田尚史) (7)話しことばにおける「とか」の用法(李長美) また、会話文字化資料として、研究成果報告書の付録CD-ROMに収められた36本の会話資料が得られた。この資料は、自然談話を録音し、文字化したものである。主題・とりたての研究だけでなく、話しことばのさまざまな研究に利用できるものである。
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[Publications] 野田尚史: "現代語の特立のとりたて"沼田善子, 野田尚史(編)『日本語のとりたて--現代語と歴史的変化・地理的変異--』(くろしお出版). 1-20 (2003)
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[Publications] 野田尚史: "主語と主題--複合的な概念である「主語」の解体に向けて"言語. 31巻6号. 38-49 (2002)
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[Publications] 高橋美奈子: "「なら」による主題提示についての一考察"日本語日本文化論叢 埴生野. 第2号. 44-50 (2003)
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[Publications] 澤田浩子: "属性叙述における名詞述語文"日本語教育. 116号. 39-48 (2003)
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[Publications] 澤田浩子: "有題文における形容詞属性表現-ヒトとモノの属性世界についての考察-"KLS. No.21. 270-279 (2001)
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[Publications] 庵 功雄: "「象は鼻が長い」入門-日本語学の父三上章-"くろしお出版. 173 (2003)