2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610443
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 宏 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (30193113)
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Keywords | 太宰治 / 原稿(肉筆資料) |
Research Abstract |
4年計画の初年度にあたって、まずパソコン、スキャナー等の基本備品を購入し、次に研究補助者2名を決定した。次に主要な調査先である日本近代文学館との具体的な交渉に入り、やや時間を要したものの、11月にいたって、今回の研究計画が館の特別プロジェクトとして、正式に了承されることになった。日本近代文学館としては特定分野(作家等)の肉筆資料について、部外者の特別調査を認めた例はいたって少なく、今後の科研等による共同研究(館の資料調査)への道を開くテストケースとして、きわめて意義あるものと考える。具体的には平成十三年秋までの一年間のうちに十作品の原稿を調査することが決定し、館との協議のもとに、今後の研究資料としての活用、公開への道を開いていくこととなる。11月から学年末にかけ、「男女同権」「右大臣実朝」の二作品の原稿の調査に着手し、研究補助者と共に現在着々と翻刻作業を進めつつある。 一方で青森県近代文学館、山梨県立文学館とも交渉の機会を得、太宰治の肉筆資料のあらたな公開について、重要な情報を得ることができた。山梨県立文学館については、特別展「太宰治と檀一雄」(平成12年9月30日〜12月3日)の企画展編集委員をつとめ、資料展示に際しての助言を行うと共に、会期中の文学講演会(11月12日)に講師として参加した。また、青森県文学館蔵の資料(現時点において具体名の公開は見合わせたい)については、現在実際の資料にあたりながら、館の公開資料集への「解説」を執筆中(二月末現在)である。 以上、初年度において、充分な実績を上げることができたものと確信している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 安藤宏: "作家と原稿用紙-太宰治の場合"『太宰治と檀一雄』(山梨県立文学館). 41-41 (2000)
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[Publications] 安藤宏: "太宰治・晩年の執筆メモ"青森県近代文学館「資料集」第二輯. 2号(発表予定). (2001)
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[Publications] 安藤宏: "解説"(ちくま学芸文庫)『図説太宰治』. 275-284 (2000)