2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610478
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
仁科 弘之 埼玉大学, 教養学部, 教授 (20125777)
|
Keywords | 動作 / 動詞 / 回転式 / 様相論理 / 世界 / 意味解釈 |
Research Abstract |
筆者は、形式意味論のモデル理論に基づき、動作文の認知的な意味解釈機構構築のための基礎研究を行っている。本研究の前研究では動作主の動作ををワイヤーフレームモデルで記述することを提案した。本研究は以下の構成をもつ。 1.ワイヤーフレームモデルによる動作を回転式群で記述する[Nishina'01]。 2.各回転軸を世界とみなすことで、その軸上の点の運動をその世界上の運動を表す命題とみなす。回転の依存性を(世界間の)接近可能性とみなす。これにより各運動点の相対的回転は様相論理で記述可能となる。 3.2.で得られた回転規則をsyntaxとしてそのsemanticsを1.の回転式をモデルにして構築する。 4.これらをもとに動作動詞の意味素性を決定し、それを用いた意味解釈規則を構築する。現時点では、上記1.及び2.の研究が完了しつつある。段階1.は論文[Nishina'01]としてまもなく出版される予定である。その梗概は以下の通りである。 本論文では位置変化による運動認識をワイヤーフレームの回転複合体からの変換とみなす可能性を考察した。まず個体をワイヤーフレームで表し、その動作を回転式複合体で表すアルゴリズムを提案した。この形で表示された動作を軸付き個体関数に変換すると、動作ダイアグラムがえられる。このダイヤグラムにいくつかの操作を加えたものを動作動詞の定義素性連鎖とマッチさせることにより、マッチングに成功すればその動作はその名前(動詞名)の動作であることになる。さらに、この解釈部分は従来のモンタギュー文法における固有名詞の内包計算を改良することで可能になることも示唆した。
|
Research Products
(1 results)