2002 Fiscal Year Annual Research Report
モダニズム英米小説におけるアングロサクソニズムの表象分析
Project/Area Number |
12610482
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大田 信良 東京学芸大学, 教育学部・(言語文学第2学科)(英語学・英米文学), 助教授 (90233139)
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Keywords | アングロサクソニズム / 帝国主義 / 人種 / モダニズム / 第一次世界大戦 / トルコ / 地政学 |
Research Abstract |
本研究では、Virginia Woolf Jacob' RoomやD.H.Lawrence Aaron's Rodといった英国のモダニズム小説を精読し、アングロサクソニズムの表象を分析した。各テクストにおいて「非白人移民」にまつわる表象、および、「ギリシャ・トルコ戦争やシンガポール」(ウルフ)や「日露戦争やアイルランド人・日本人」(ロレンス)といった地政学的イメージがトランスナショナルな「大英帝国」のリベラリズム・イデオロギーとして機能していることを分析した。そして、そうした文化表象としてのアングロサクソニズムを、英米関係におけるグローバリゼーションとナショナリズムの複雑な関係として再解釈する可能性を探った。 1.その成果の一部として、Woolfのテクストに関しては、"Generation, Legacies, and Imperialisms : The Greco-Turkish War and Jacob's Room"として、国際ヴァージニア・ウルフ学会(6月7日Sonoma State University)において、口頭発表した。また、これは学会論文集(Virginia Woolf : Across the Generations. eds.merry Pawlowski and Eileen Barrett, the forthcoming online publication)として出版予定である。 2.また、ロレンス論に関しては、第9回国際D.H.ロレンス学会(2003年6月30日〜7月4日京都ガーデンパレスホテル)において、"Empire, the Pacific, and Lawrence's Leadership Novels"として発表することが決定している。
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