2001 Fiscal Year Annual Research Report
フランス現代詩における詩空間の閉塞化とその乗り越えの可能性に関する歴史的研究
Project/Area Number |
12610520
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川那部 保明 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (10169740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VILLAIN Franck 筑波大学, 外国語センター, 外国人教師 (20334071)
有吉 豊太郎 筑波大学, 文芸言語学系, 教授 (00039984)
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Keywords | フィリップ・ジャコテ / ジャック・デュパン / on |
Research Abstract |
本年度は、Philippe Jaccottetにおける"on"の問題を前年度に続いて考究する一方で、フランス現代詩関係の書籍・資料を集積して、一年目に比べより広い視野のうちに"on"の問題域を置き直すべく努めた。具体的には、"je"のポエジーを越えた次元で模索されている現在の詩批評を、とりわけMichel Collotのstructure d'horizonを中心に把握しなおしておくこと、同時に、Jaccottetとほぼ同年代の詩人Jacques Dupinの特異なecriture-corpsの世界生成においてどのように"on"および"je"(を中心とする人称代名詞群)がその生成に関与しているか、といった点に考察を加えた。 来年度はこの考察の結果を、とりわけBonnefoyやMambrinoに通底するpresenceとのつながりという視点を導入しつつさらに発展させながら、"on"のポエジーとして概括できる世界を明確化し、それがフランス現代詩の閉塞をどのような方向へ乗り越えさせようとしているかを把握するという、最終年の成果へと結びつける所存である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 川那部 保明: "フィリップ・ジャコテ『ルソン』の語るもの"キリスト教文学研究. 18号. 65-77 (2001)
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[Publications] 川那部 保明: "生と死、有と無、ポエジー"フランス語フランス文学論集. 16号. 159-175 (2001)
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[Publications] Anne Struve-Debeau 他: "Ecritures contemporaines 4, I'un et I'autre, figures du poeme"Minard. 220 (2001)