2001 Fiscal Year Annual Research Report
情報伝達における言語リズムの機能の研究および「発信型」外国語教育への応用
Project/Area Number |
12610549
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
溝越 彰 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (80109123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
サンダーズ ロバート 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (60311552)
志柿 光浩 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (60215960)
中村 維男 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80005454)
佐々木 昌子 東北大学, 大学教育研究センター, 講師 (80005793)
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Keywords | 言語リズム / 発話認知 / パージング / ピジン英語 / 身体リズム |
Research Abstract |
本所究の第一の目的は、日本語・英語・中国語・スペイン語という互いに異なるリズム形態を持つ言語を比較対照し、さらに、「ピジン」や「クリオール」など「異形」とされる言語との比較を通して、言語音声の知覚と理解(パージング)において、リズムがどのような役割を果たしているかを解明することである。2年目は、主に、言語リズムと身体リズムとの同期・相関を調べた。 1.データ補足:米国や英国以外の地域の英語の発話データ、および本来英語を母語としない「原住民」が話す英語の発話データの分量を増やすために、ニュージーランドで発話採取を行った。 2.発話の聞き取り実験:音声処理ソフトによって、アクセントの強調・消去やリズム・パターンの変更・撹乱などの人工的な細工を施した音声を用いるなど、条件を変えた聞き取り実験を昨年度に継続して行った。その結果、スペイン語等に比較して、英語のリズムパターンを変えた音声の聞き取りは、被験者のいらだちや聞き取り率により大きな影響を与えるという結果が得られた。 3.言語リズムと身体リズムの同期調査および実験:各国のテレビ放送等の映像資料やネーティブ・スピーカーの発話のビデオ録画等を用いて、言語のリズムと身ぶり・手振りの同期の仕方を調査した。また、ビデオ画像をコンピューター処理して、わざとリズムの同期をずらすなどの細工を施したものを、ネーティブ・スピーカーに提示して反応や理解度をテストしたところ、相づちのパターンに明らかに差が生じたのみならず、発言内容に対する理解度や賛同する度合いなどにおいても低下する傾向があるという結果が得られた。
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