2001 Fiscal Year Annual Research Report
発話表現意図に関わる日本語文末形式・ピッチパタンの分析と指導法の開発
Project/Area Number |
12610551
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
御園生 保子 東京農工大学, 留学生センター, 教授 (00209777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 百合子 東京農工大学, 留学生センター, 教授 (90272640)
越前谷 明子 東京農工大学, 留学生センター, 教授 (30213549)
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Keywords | 文末形式 / ピッチパタン / 用法 / 文脈 |
Research Abstract |
「用法=発話表現意図」に対応した文型としてのピッチパタンがあるかどうかを検証するため、ジャナイの否定と文末詞の用法を取り上げている。 前年度収録した、訓練を受けた話者がジャナイを使った文例を読み分けた録音資料の中から、スキジャナイについて声色等のパラ言語情報が中立的で、ピッチパタンによって否定、肯否質問文、肯定の断定、確認要求(上昇・下降)を言い分けていると判定でき、かつ自然と評価できる資料を選んだ。 本年度・東京方言話者4人が、ジャナイを使った文例(スキジャナイ、キレイジャナイ、コドモジャナイ、ソウイウヒトジャナイ)を読み分けた資料を収録した。同様の基準で、スキジャナイについて、ピッチパタンによって自然に言い分けていると評価できる資料を選んだ。 上で自然と評価した資料について、音響特性を分析した。 次に、これらを刺激として、試聴実験を行い、聞き手による用法の評価の一致度が高いものを、その用法の特徴的なピッチパタンを持つ刺激と仮定し、その音響特性を分析する。 その結果をもとに、「スキジャナイ」のピッチパタンを加工した刺激をつくり、スキジャナイ単独で用いられた場合と、否定を予測させる前置文脈、肯定を予測させる前置文脈のあとにスキジャナイが用いられた場合の2種の環境で、同一の刺激を用いた試聴実験をして、前置文脈の有無で、同じピッチパタンに対する聞き手の評価が変わるか、変わるとしたらどう変わるのかを検証する予定である。
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