2001 Fiscal Year Annual Research Report
バルカン-トルコ語における統語法についての総合的研究
Project/Area Number |
12610557
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
栗林 裕 岡山大学, 文学部, 助教授 (30243447)
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Keywords | アゼルバイジャン語 / ガガウズ語 / 語順 / 統語法 / 国際情報交換 / バルカン-トルコ語 / トルコ語 / 言語接触 |
Research Abstract |
研究概要 バルカン-トルコ語と周辺諸言語であるガガウズ語やカラマン-トルコ語との対照研究を行った。今年度夏に調査収集を行ったトルコ在住のガガウズ語の話者によるガガウズ語の資料や同じ南西グループに属するアゼルバイジャン語との対照を行った。またカラマン-トルコ語についてはトルコにおける専門家であるエルジエス大学ハルン・ギュンギョル教授との討論を行った。以上の結果次のような結果が得られた。 ・ブルガリアのガガウズ語とモルドバのガガウズ語に関しては統語法上の差異がみられる。例えば関係節形成時に用いられるaniはブルガリアのガガウズ語ではそれほど多用されない。 ・イスラム教徒のトルコ語とブルガリア-ガガウズ語を比較すると、後者のほうがより自由な語順を許す。このことはスラブ語との言語接触のあり方の違いに原因を求められるようである。 ・ガガウズ語やバルカン-トルコ語にみられる統語的変容は同じくスラブ語との言語接触が認められるアゼルバイジャン語にも同様に認められた。さらに詳細な検討が必要である。 ・カラマン-トルコ語のアナトリアでみられる資料による限り統語法においてはトルコ語と比較して統語的な変容は認められなかった。 口頭発表 Kuribayashi, Yuu. On double case marking in Gagauz. Seminar of Linguistics. (7 Sept. 2001,Azerbaijan National Academy of Sciences. Baku) 研究会の開催 トルコ・エルジエス大学 Harun Gungor博士(研究協力者) 演題 Gagauzlar(ガガウズ人)(2001年12月4日 岡山大学 文学部) 社会活動 岡山市主催 さんかくカレッジ 講義題目 「言語と地域社会」 トルコとアゼルバイジャンの言語と文化について 2001年11月 岡山市高島公民館主催 世界歴史紀行 講義題目 「イスラムの歴史と日常生活」「イスラムの言語と社会」2001年12月
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