2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本語・英語・ネパール語における空間体験に基く談話とジェスチャーの研究
Project/Area Number |
12610566
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
片岡 邦好 愛知大学, 法学部, 助教授 (20319172)
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Keywords | 談話分析 / 空間認知 / ジェスチャー |
Research Abstract |
平成12年度の当初の目的は、(1)収集済みの談話データの文字起し、(2)新たな談話データの補充、(3)国際学会における中間報告、と定めた。本年度を総括して、ほぼこの目的は達成できたと考えている。以下各項目を概観し、実績を自己評価する。 (1)収集済みの談話資料の文字起こしと分析 まず最初の課題は、収集済みの談話資料をトランスクライバーで書き起し、ノートパソコンに入力することである。当該の談話資料は、応募者が1996年から1997年にかけて断続的に日本国内の4地域、および米国の2地域で集録したものである。この作業の助手として大学院生のアルバイトを雇い、研究テーマとして適切な部分を選択的に文字化した。ただし英語の資料については、音質の悪い部分が残ったこともあり、文字化できた部分は少なかった。今後の追加資料に期待したい。 (2)談話資料補充のためのフィールドワーク 本年度は、i)日本語(・英語)における登山・クライミング場面以外での空間談話資料の充実、およびii)今回データに追加するネパール語での登山・日常両場面における談話資料の収集を目標とした。i)に関しては、数名の日本人情報提供者に室内で空間体験を語ってもらい、その様子をビデオ・テープ、オーディオ・テープに収録した。ii)に関しては、2001年2月〜3月に、ネパールのカトマンズ、ポカラ周辺にて、フィールド・ワークに基く自然発生的データの収集を行った。 (3)学会での中間発表 年度内に国際学会での中間報告を行うことを目標とし、十全に達成した。まず4月には第1回国際認知類型論学会(ベルギー)にて、7月には国際語用論学会(ハンガリー)にて関連テーマで発表を行った。また、2001年3月にはマックスプランク研究所を訪問し、ワークショップの一環として研究発表を行った。その他、国内では、社会言語科学会、愛知大学言語学談話会にて関連分野の発表を行った。
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[Publications] 片岡邦好: "メンタルマップの共同構築における直示的移動動詞の用法について"社会言語科学会 第6回研究大会予稿集. Vol.6. 124-129 (2000)
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[Publications] 片岡邦好: ""Sign categories and gender performance""日本英語学会Conference Handbook. 18. 237-242 (2000)
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[Publications] 片岡邦好: "社会・文化的認知と談話分析の新たな視界"社会言語科学(The Japanese Journal of Language in Society). (印刷中). (2001)