2000 Fiscal Year Annual Research Report
ラフカディオ・ハーンのジョセフ・テューニソン宛書簡をみぐる伝記的研究
Project/Area Number |
12610578
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅本 順子 日本大学, 国際関係学部, 教授 (40180799)
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Keywords | ラフカディオ・ハーン / ジョセフ・テューニソン / エリザベス・ビスランド / ラフカディオ・ハーン:生涯と書簡 / ヘンリー・ワトキン / 鴉からの手紙 / ジョージ・グールド / ラフカディオ・ハーンについて |
Research Abstract |
ラフカディオ・ハーンのジョセフ・テューニソン宛の書簡6通、テューニソンよりシンシナティの本屋をしていたアレクサンダー・ヒルに宛てた書簡、ヘンリー・ワトキン、エリザベス・ビスランド、ヘンリー・クレビールらの書簡、およびジョージ・グールドの書簡とヘンダーソン及びテューニソンのハーンについての原稿の下書きを活字として書き起こし資料として編集した。また、これらの人々とハーン、あるいはこれらの人々の人間関係を裏付けるためにシンシナティにて彼らに関する記事、原稿等を収集した。特に、ハーンの死後、ハーンの伝記を遺族のために出版し、その収益を遺子の学費の一部にするという計画に彼らがどうかかわったかを、公式ハーン伝の執筆をめぐる問題としてとりあげることを主題とした。この公式ハーン伝執筆の権利を得たビスランドに対し、協力を拒んだ者、あるいは書簡の使用は許したものの独自のハーン伝を出版した者ということで、それぞれワトキンとグールドを取り上げ、彼らのハーンへの思いとハーンを取り巻く友人間での確執を順次取り上げてゆく予定である。とくに前述したテューニソンの、ビスランドの伝記執筆にかかわって果たした役割を定義したい。テューニソンに関しては没年も明らかではないが、書き起こしたハーンの書簡からも明らかになったように、ビスランドらと同様に、日本にいってもハーンが書簡を送った人物である。新聞社も幾つか変わっているために、オハイオ州デイトンにても彼の消息を訪ねた。今年は、ワトキンの独自の書簡集『鴉からの手紙』の出版を中心にまとめた。今後の研究としては、前述したように、グールドらを中心に、彼らの複雑な胸中と人間関係を書簡をもとに追及する。
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Research Products
(2 results)