2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610579
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 隆明 早稲田大学, 文学部, 教授 (20086086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 浩人 早稲田大学, 文学部, 教授 (80230796)
松浦 友久 早稲田大学, 文学部, 教授 (40063630)
高松 寿夫 早稲田大学, 文学部, 助教授 (40287933)
丹羽 香 中央学院大学, 講師
蔵中 しのぶ 大東文化大学, 助教授 (40215041)
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Keywords | 古代文学 / 国際交流 / 遣唐使 |
Research Abstract |
日本の古代文学(主として奈良朝、平安朝の文学)を、遣唐使を軸にして日中に朝鮮半島も加えての国際交流の面から見ていこうということで、共同研究を始めた。平成12年度はそれぞれの分野で課題に即しての研究成果を持ち寄って発表しあい、また共同研究の一部として進めている『道賢上人冥土記(日蔵夢記)』の解読と関連して、中国で発見された道賢法師銘の経筒の調査および研討会をも行うことになり、7月31日に中国歴史博物館で調査と研究発表会、8月1日に北京大学で研究発表会をおこなった。発表者は二日間にわたり、日中あわせて15人でえある。道賢銘経筒に記された銘文の日付延長三年八月十三日をめぐって疑問を呈する日本側と日付け通りに理解しようとする中国側とにほぼ見解がわかれたが、それぞれの検討によって両国間の人物文化の交流の実態がより明らかになった。これらの成果の一部は『アジア遊学22号』特集「論争 道賢銘経筒の真贋 天神伝説の新展開」(2000/12刊行)にまとめており、また一部は同誌に特集「遣唐使と文化交流」にまとめて、近日中に刊行の予定である。2月24日には、研究発表会「古代文学と日本・中国・朝鮮半島の交流」を開催し、日中の三人が口頭発表を行った。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 田中隆昭: "菅原道真と渤海使-「高麗人と文作りかはす」という表現の背景"平安朝文学研究. 復刊9月12月. 4-14 (2000)
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[Publications] 田中隆昭: "『日蔵夢記』および道賢法師経筒との出会い"アジア遊学. 22号12月. 2-4 (2000)
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[Publications] 高松寿夫: "車持千年の作品の性格"古代研究. 34号1月. 51-59 (2001)
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[Publications] 蔵中しのぶ: "定慧伝はなぜ立伝されたか-『藤氏家伝』「定慧伝」をよむ"日本文学. 11号. 80-85 (2000)
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[Publications] 蔵中しのぶ: "良吏の文学-『万葉集』巻五「反例感情歌」における律令。注釈的性格"古代文学. 3号. (2001)
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[Publications] 厳紹〓,丹羽香: "文学テキストの文化学的読解と解釈-日本古代文学の発生学的研究の構想に際して"中央学院大学人間・自然論叢. 12号、8月. 67-90 (2000)
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[Publications] 吉原浩人: "説話文学に描かれた空海-大江匡房と『本朝神仙伝』をめぐって-"国文学 解釈と鑑賞. 5月. (2001)
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[Publications] 菊地真: "学生貴族の恋物語-学生時代の夕霧の恋愛謡について-"論叢源氏物語2歴史との往環(単行本). 127-163 (2000)
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[Publications] 菊地真: "「大鏡」重木攷-「昔物語」の意味-"中古文学. 66号12月.
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[Publications] 菊地真: "『源氏物語』時代の経"アジア遊学. 22月12月. 78-89 (2000)
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[Publications] 王勇: "遣唐使廃止後の海外渡航の物証"アジア遊学. 22号12月. 36-49 (2000)
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[Publications] 吉原浩人: "《燈籠佛》の研究"至文堂. (2000)
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[Publications] 王勇: "中国史のなかの日本像"農文協. 282 (2000)
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[Publications] 田中隆昭: "論叢源氏物語2 「源氏物語における高麗人の予言」"新典社. 5-32 (2000)
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[Publications] 田中隆昭: "源氏物語研究集成9 「中国文学と源氏物語」"風間書房. 167-215 (2000)