2001 Fiscal Year Annual Research Report
「司法改革」実現のための基盤整備に関する公法学的アプローチ
Project/Area Number |
12620017
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木佐 茂男 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (30122039)
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Keywords | 法教育 / 法治主義 / 実務教育 / 法律学 / ドイツ / 実学 |
Research Abstract |
2001年には、2000年度の科研費で3月下旬に約1週間、2つの州でドイツの職業訓練学校を訪問して、実際の法教育の教室を見学し、また、州の法教育担当者、その他多くの関係者と面談した。さらに、2001年度の研究として12月に再度2つの州を訪れ、ギムナジウムの法教育を行っている副校長等と面談したり、研究者と市民社会、学校・大学における法教育の現状と課題について意見交換と今後の研究方針を打ち合わせた。今回の一連の取材と国内における調査や中・高校での教科書分析によって、時間的にも内容的にも明らかとなり法教育の不充分さそのものは比較的簡単に解明できたと考えている。また、成人教育ないし生涯教育における法の扱いにも接してきた。さらに、法的観点から、法教育自体を位置づけていることを明らかにするために、ドイツの各州で使用されている政府の法教育指針や各種資料が役立っている。この間、わが国でもロー・スクールの開設に伴う実務教育ないし実地教育の必要が言われ、さらに従来、司法試験からいったんは排除された行政法が教育・試験科目に入ることになったが、その場合に、どのような内容の教育が行われるべきかは慎重に吟味しなければならない。現状の一般の大学で使用されている法学テキストによる教育では、きわめて実用性に欠ける。その問題点はすでにロー・スクールのカリキュラム作成過程の中で認識されてはいるので、それへの貢献が可能になる。
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[Publications] 木佐茂男: "木佐茂男・湯川二朗「行政訴訟の大転換」"月刊司法改革(現代人文社). 19. 8-13 (2001)
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[Publications] 木佐茂男: "木佐茂男・吉田敏治(地方分権推進本部事務局長)との対談「地方分権と自治体の法務」"フロンティア180(北海道町村会). 36(2001年冬期号). 2-11 (2001)
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[Publications] 木佐茂男: "「地方分権 憲法学を問う」浦部法穂との対談"法学セミナー. 556(46(4)). 32-36 (2001)
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[Publications] 木佐茂男: "地方自治法252条の2〜252条の16の注釈"室井力/兼子仁(編)基本法コンメンタール地方自治(第4版)(日本評論社). 377-386 (2001)
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[Publications] 木佐茂男: "シュテッツェル著/木佐茂男・中村英樹訳「ヨーロッパ諸国における裁判官独立の新展開」"月刊司法改革. 21. 90-94 (2001)
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[Publications] 木佐茂男, 佐藤鉄男, 須網隆夫, 丸田隆, 宮澤節生, 大出良知: "審議会『最終意見書』から見えるもの、見えないもの-司法制度改革はこれからどうなるか"月刊司法改革. 24. 77-92 (2002)
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[Publications] 木佐茂男: "地方分権と司法分権"日本評論社. 244 (2001)