2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12620023
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
阪本 昌成 広島大学, 法学部, 教授 (00033746)
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Keywords | ABA / 司法試験 / 法科大学院 |
Research Abstract |
本研究の平成12年度における進め方は、以下の通りであった。 (1)「司法制度改革審議会」中間報告(平成12年11月)の分析、 (2)全国の法学部の「法科大学院」構想報告書を入手したうえでの比較対照、 (3)日弁連、地域の弁護士会、その他の研究グループによる「司法制度改革」案の入手分析、 (4)アメリカにおけるロー・スクール協会の認可基準、主要ロー・スクールのカリキュラム等の情報収集、 (5)全米法曹協会のガイドライン、各種報告書の入手分析、 (6)アメリカの司法試験、その他の資格試験の実態に関する情報の入手、 (7)陪審制に関する研究文献の入手。 上にふれた(7)を除いて、平成12年度の研究の焦点は、法曹養成の日米比較におかれた。なかでも、私(阪本)の最大の関心事は、(ア)司法試験受験資格を「法科大学院」修了者に限定することの合憲性、(イ)弁護士業を法曹に限定することの合憲性、(ウ)弁護士会を強制設立とすることの合憲性にある。 この憲法問題を考えるにあたっては、経済的自由規制における「積極目的規制/消極目的規制」という枠組みに代えて、「経済的規制/社会的規制」という分析枠が有益ではないか、と考えられる。上にふれた(ア)〜(ウ)は、はたして社会的規制であるのか、社会的規制とは何を言うのか、社会的規制であれば、その合憲性を判定するには、いかなる基準によることになるのか等々、目下、思考中である。 「司法」と「法曹」は、「法の支配」を実現するための社会的装置である。「法の支配」の観点からすれば、法曹界または法科大学院を「経済的規制」のもとにおくことが、はたして平仄の合うことなのだろうか。本研究は、「法の支配」の再定義をも射程としている。
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