2002 Fiscal Year Annual Research Report
行政訴訟と国家賠償制度に関する比較法学的研究-欧米主要国及び東アジア諸国を中心に
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12620025
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
葉 陵陵 熊本大学, 法学部, 助教授 (70264273)
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Keywords | 国家賠償 / 司法賠償責任 / 司法免責権 / 刑事補償 / 裁判の過誤 / 帰責原則 / 司法権の作用 / 国賠訴訟 |
Research Abstract |
本研究は、東西の文化と伝統を背景に形成された東洋法と西洋法との比較研究という角度から、欧米諸国と日本、中国を含むアジア諸国の国家賠償制度との異同点を検討するとともに、成文法の伝統を持つ大陸法系諸国の国家賠償制度がこれらのアジア諸国に与えた影響についても考察しようと考えている。具体的には、上述した諸外国の司法関係における国家賠償制度の許容性について、比較法的な視点から、諸国の司法賠償責任に概ね共通する司法権行使の独立という特殊性に対する考慮と、それぞれ異なる許容範囲と成立要件の特徴、たとえば刑法上処罰されることを原則とするドイツ法、裁判の拒絶と職務行為上の重過失を条件とするフランス法、司法免責権を認めているイギリス法とイギリス法の伝統を継受して主権免責の原則を採用するアメリカ法、民事裁判における国家賠償責任を除外して刑事裁判に限定して違法原則を適用する中国法、及び故意と過失を要件とする日本法と韓国法などにおける司法賠償制度の特色を概観しながら、民事及び刑事の裁判とその執行並びにこれに関連する警察、検察の作用を包含する司法権の作用として行われる公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、違法に他人に損害を加えた損害賠償責任に関する諸問題を中心に研究を進めている。 論文の構成は次の通りである。(1)序論。(2)司法賠償に関する立法の形式。(3)司法賠償責任の帰責原則。(4)大陸法諸国における司法権の作用による国家賠償責任。(1)フランスにおける司法賠償責任。(2)ドイツにおける司法賠償責任。(5)英米法諸国における司法権の作用による国家賠償責任。(1)イギリスにおける司法免責権。a.司法免責権の論拠。b.司法免責権の範囲。(2)アメリカにおける司法賠償責任。a.連邦の司法賠償責任。b.連邦裁判官等の個人賠償責任。c.州裁判官等の個人賠償責任。(6)日本における司法権の作用による国家賠償責任。(1)司法権の行使に対する国家賠償法の適用。(2)裁判をめぐる国賠訴訟の傾向と類型。(7)中国における司法権の作用による国家賠償責任。(1)司法賠償の範囲と判例の動向。a.人身権と財産権の侵害に対する刑事賠償。b.非刑事司法賠償c.司法賠償の免責範囲。(2)司法賠償の手続と問題点。(3)司法賠償の実施と課題。(8)刑事補償法制による司法救済の法理と特色。(9)結論。
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Research Products
(2 results)