2001 Fiscal Year Annual Research Report
「1999年(内閣・国家行政組織・地方分権)改革」の研究
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12620029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲葉 馨 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10125502)
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Keywords | 行政改革 / 省庁再編 / 内閣機能の強化 / 省間調整システム / 分担管理制 / 地方分権 / 自治組織権 / 附属機関条例主義 |
Research Abstract |
本年度は、「1999年改革」について、とくに、次の研究を行った。 (1)憲法による内閣・内閣総理大臣・行政各部(狭義の行政組織)の位置づけを再考しつつ、行政改革会議『最終報告』およびそれを出発点とする「1999年改革」の評価を試みた。第1に、内閣・内閣総理大臣、とりわけ後者の機能(指導性)強化が唱えられながら、結局、内閣総理大臣の発議権の明確化(内閣法4条2項後段)とその指揮監督権に関する内閣法の規定(閣議方針によること)の「弾力的」「運用」に止まったは、内閣総理大臣ではなく「内閣」に行政権が属するものとする憲法の「壁」を克服し得なかったことを示す。しかし、第2に、内閣の機能強化論自体は、内閣の本来の役割が、狭義の行政(執行)ではなく「執政」ないし「国政指導作用」にあるとする近時の有力な見解に即したもので、憲法理念の「蘇生」を図る試みと評価し得る。第3に、任務基軸の省編成と「新たな省間調整システム」の導入は、分担管理制の硬直化を防止するという観点から、重要な意味を有している。 (2)2001年1月にスタートした新府省について、再編の内容・各府省の系譜・今後の課題等について研究した。本年度公表分としては、省庁体制の歴史的展開を概観した後、内閣府・総務省をとりあげたが、その他の省についても、引き続き研究成果の公表をおこなっていく予定である。 (3)地方分権との関係について、自治組織権の問題を検討した。とくに、「附属機関条例主義」(地方自治法138条の4第3項)に焦点をあて、それが一見、自治組織権を尊重するようでありながら、長の組織編成権を否定する側面を有する点において、自治組織権への制約ともなっていることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 稲葉 馨: "内閣と行政組織"ジュリスト. 1192号. 179-183 (2001)
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[Publications] 稲葉 馨: "情報公開条例の一部を改正する条例"ジュリスト. 1201号. 80-82 (2001)
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[Publications] 稲葉 馨: "一府・十省体制"書斎の窓. 507号. 9-12 (2001)
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[Publications] 稲葉 馨: "内閣府(その1)"書斎の窓. 508号. 9-12 (2001)
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[Publications] 稲葉 馨: "内閣府(その2)"書斎の窓. 509号. 10-13 (2001)
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[Publications] 稲葉 馨: "総務省"書斎の窓. 510号. 12-15 (2001)
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[Publications] 稲葉 馨: "小早川二宇賀編 行政法の発展と変革 下巻"有斐閣(執筆担当分). 23 (2001)