2002 Fiscal Year Annual Research Report
事業者の自主規制規範とビジネス・オンブズマン制度の比較法政策的研究
Project/Area Number |
12620046
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
松本 恒雄 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20127715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
タン ミッシェル 帝塚山大学, 法政策学部, 助教授 (60299146)
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Keywords | 自主規制 / オンブズマン / 消費者保護 / 標準化 / ADR / コンプライアンス / ソフトロー |
Research Abstract |
本研究は、わが国における消費者政策の第3の波として、消費者利益擁護のための事業者による自主規制を市場を通して促進することが重視されている現在において、事業者団体による自主規制規範の制定やADRの一種であるビジネス・オンブズマン制度の面で、注目に値する実績をあげてきている諸国について調査・研究し、そこから得られる成果をもとに日本における21世紀型の消費者法モデルを析出することを目的としている。 平成14年度においては、過去2年間の調査研究において収集したデータを下に、各国の比較、とりわけもっとも成功していると言われているオーストラリアのスキームと日本の類似スキームとの比較を行い、日本におけるあるべき自主規制規範制度及びそのコンプライアンス・メカニズムの一環としてのビジネス・オンブズマン制度について、行政規制との関係、消費者や行政関係者の参加による共同規制の可能性を含めて、法政策的な検討を行った。あわせて、わが国固有の状況から出てきている、個別企業による自主行動基準策定によるコンプライアンスメカニズムと、事業者団体主体のコンプライアンスメカニズムの法政策面での比較検討、及び両者はどのような関係にあるべきかについての検討を行った。また、ISOにおける消費者保護のためのいくつかの国際標準化作業についても情報収集を行った。 本研究の成果は、2003年4月に開催される国際消費者法学会主催の第9回国際消費者法会議(アテネ)における基調講演として、"Managing risks through soft law techniques : Can they work for consumers?"と題して発表される予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 松本恒雄: "自主行動基準作成の推進とコンプライアンス経営"国民生活. 32巻5号. 6-9 (2002)
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[Publications] 松本恒雄: "<消費生活と法>を考える"西谷敏・笹倉秀夫編 新現代法学入門 法律文化社. 19-39 (2002)
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[Publications] 松本恒雄: "『企業の社会的責任』の国際規格化"国民生活. 32巻11号. 28-31 (2002)
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[Publications] 松本恒雄: "消費者保護行政の新たな展開"公正取引. 626号. 2-8 (2002)
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[Publications] 松本恒雄, 辻義信, 長見萬里野: "ISO/COPOLCO第24回総会を終えて"日立お客様相談部センター・レポート. 117号. 1-19 (2002)
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[Publications] 松本恒雄, 上原敏夫, 石戸谷豊, 菅原貴与志, 塚田明夫: "コンプライアンスと消費者取引(上)(下)"NBL. 752号, 753号. 4-20,35-42 (2003)
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[Publications] タン・ミッシェル: "オーストラリアの消費者保護制度における民間型ADR機関の役割・上"帝塚山法学. 7号. 53-89 (2002)