金融コングロマリットの規制の在り方

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12620048
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 洲崎 博史 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20211310)
• Keywords: 金融コングロマリット / 株式会社化

Research Abstract

本年度は、わが国の従来の金融コングロマリット法制を整理し、その問題点を抽出するという作業を行うとともに、保険コングロマリットの形成過程として重要な相互会社の株式会社化に注目し、なかでも平成12年改正保険業法のもとでの株式会社化に関する諸問題を検討した。「金融コングロマリットと保険」損保研究63巻1号は前者の研究の成果であり、あるべき金融コングロマリット規制を探るための基盤整備的な研究をなしえたと考えている。また、「保険業法逐条解説(XII)(85条〜89条)」生命保険論集136号、「保険業法逐条解説(XIII)(90条〜96条)」同137号は、関西保険業法研究会において以前に行った研究報告をまとめるという形をとってはいるものの、その中に本年度の研究成果を相当程度反映させることができたと考えている。なお、保険相互会社のコングロマリット形成に関しては、、株式会社化とこれに続く株式交換・株式移転を計画している複数の相互会社の担当者とコングロマリット形成にかかる実務問題について数度にわたり意見交換を行うことができた。相互会社の株式会社化を経たコングロマリット形成に関してはなお法制整備の余地があると考えられるが、この問題については、今後現れるであろう実例を踏まえたうえで次年度以降にさらに研究を深めることを企図している。
また、本年度は、前年度に引き続き、関連文献の収集とともにパソコンを利用した資料整理にも力を注いだ。この結果、以前にもまして充実した研究環境を作ることができたと考えている。

Research Products

• [Publications] 洲崎博史: "金融コングロマリットと保険"損害保険研究. 63巻1号. 49-74 (2001)
• [Publications] 洲崎博史: "保険業法逐条解説(XII)"生命保険論集(生命保険文化センター). 136号. 271-318 (2001)
• [Publications] 洲崎博史: "保険業法逐条解説(XIII)"生命保険論集(生命保険文化センター). 137号. 195-250 (2001)