2001 Fiscal Year Annual Research Report
比較契約法の理論的可能性と契約法の一般モデルに関する基礎的研究
Project/Area Number |
12620049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐久間 毅 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80215673)
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Keywords | 契約 / 比較法 / ヨーロッパ契約法 / 共通私法 / 契約不履行 / 契約の対抗 / 債権譲渡 |
Research Abstract |
本研究は、現在ヨーロッパで進められている共通私法の形成を素材として、とくに契約法について、そうした共通法の形成を可能にする理論的基礎の分析を目的とする。このような観点からおこなった作業とその成果は、次のとおりである。 第1に、比較私法の方法論に関する議論を調査・検討した。前年度において、比較私法方法論に関する伝統的な立場、つまり機能主義的比較法の理論的可能性とその実際を検討した。本年度はこれを基礎に、個別的問題において機能主義的比較法が具体的にどのように展開されているかを検討した。具体的には、契約への第三者の関与と債権譲渡を検討の素材としてとりあげた。この検討の過程でえられた知見を応用した成果として、「消費者契約法と第三者・代理」(ジュリスト1200号)、「将来債権の譲渡-(第三)債務者不特定の場合を中心に」(ジュリスト1217号)という論稿を発表した。 第2に、ヨーロッパ契約法に関する現在の動向の調査・検討を継続した。前年度は、国際的動産売買に関する国連条約、UNIDROIT国際商事契約原則、ヨーロッパ契約法原則に焦点をあてて、特に契約不履行・瑕疵担保に関する問題を中心に調査・検討をおこなった。今年度は、ドイツ債権法の大改正が予想外のスピードで成立することになったので、このドイツ債権法の改正において、前年度に検討したヨーロッパ契約法の動向が、改正に向けた議論の過程においてと改正の結果に、どのように作用しているかを検討した。
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Research Products
(2 results)