2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12620055
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
伊藤 進 明治大学, 法学部, 教授 (20061913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 浩一郎 明治大学, 法学部, 講師 (20257124)
清野 幾久子 明治大学, 法学部, 助教授 (70216505)
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Keywords | 憲法 / 私法理論 |
Research Abstract |
本年度は、憲法と私法理論の関係についての問題状況の把握に努めた。そのために、このような問題について、これまで研究を行っている国内外の研究者との意見聴取と意見交換及び文献等の資料の収集と分析を行った。 前者に関しては、Freiburg大学のSchlechtriem教授、Muenchen大学のRies教授とCanaris教授、Berlin大学のReiser教授、Augusburg大学のNoiner教授に、予め質問書を送り、その後、面接をした。私法理論の中に憲法をどのように位置づけるかが中心的問題であったが、積極論者と消極論者に分かれた。この問題については、ドイツでは約30数年前に論争が行われ、その後、研究は停滞したが、今日ではCanaris教授の著書が出版されて以来、活発に議論されているのが現状であり、その議論の全体像を把握することができ、予想以上の成果を得た。日本では、京都大学の山本敬三教授から、同教授の提唱されているテーゼについて意見聴取するとともに、意見交換を行った。山本教授は、この問題の日本における積極論者であるが、特に、憲法理論的見地からみて積極的に位置づけることが妥当が否かにつき議論が集中した。今後の重要な検討課題といえよう。 後者に関しては、日本及びドイツの文献、判例、資料等の収集はほぼ完了した。現在、分析検討中であるが、その過程での日本の判例分析においてみられる特徴は、ドイツのような私法理論の中に憲法をどのように位置づけるかの議論のないまま接合させていることであった。
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