2002 Fiscal Year Annual Research Report
情報化社会における市民の政治参加の変容過程-NGO/NPOと通信ネットワークの連関-
Project/Area Number |
12620078
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Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
筒井 洋一 京都精華大学, 人文学部, 教授 (20197734)
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Keywords | NGO / NPO / 政治参加 / 市民 |
Research Abstract |
平成14年度は、日本におけるインターネットとNGO/NPOとの最初の接点について調査した。1990年代初めに日本で最初のUNIXベースのインターネット技術に依拠したバックボーンを活用した情報NGO団体の足跡を掘り起こし、その活動が市民参加に与えた意義について考察した。 湾岸戦争に対する戦争反対運動は世界的な盛り上がりを見せたが、その運動の中でインターネットを活用した活動を開始したグループもあった。この運動が、日本におけるインターネット技術とNGO/NPO活動の初めての接触である。日本では1970年代末から始まったインターネット技術が、この時期初めて、企業や大学などの研究者のサークル外との接点を持ち始めたのである。 筆者の以前の研究では、1992年国連地球サミットに参加した日本のNGOグループが海外のメンバーが会議中にインターネットを活動に活用していることを目撃したことが最初であった。かれらは、帰国後日本でのノードを設置する活動を始めたのである。しかし、今回の調査で、既にそれ以前から、両者の接点があったことが確認できた。 もっとも、そこでの活用形態は、海外での運動情報の入手やメールのやりとりが始まったにすぎなかった。しかし、それであっても、インターネットの世界が技術者にかぎらず、NGO/NPOにとっても有益な情報源となりうることがわかった。こうした経験が地球サミットを経て、日本におけるノードの確立を目指す動きの中で、1995年のインターネットブームを迎えることになる。
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Research Products
(1 results)