2003 Fiscal Year Annual Research Report
情報化社会における市民の政治参加の変容過程―NGO/NPOと通信ネットワークの連関―
Project/Area Number |
12620078
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Research Institution | KYOTO SEIKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
筒井 洋一 京都精華大学, 人文学部, 教授 (20197734)
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Keywords | NGO / NPO / 政治参加 / 市民 |
Research Abstract |
平成16年度は、平成15年度の日本におけるインターネットと市民との出会いについて最終的なまとめをするとともに、計画最終年度としてまとめをおこなった。 まず、最初の出会いについては、二つの説が併存していた。一つの説は、1990年代初めに湾岸戦争に対する戦争反対運動の中でインターネットを活用した活動を開始したグループが起源であると言われていた。もう一つの説は、1992年国連地球サミットに参加した日本のNGOグループが海外のメンバーが会議中にインターネットを活動に活用していることを目撃したことが最初であったというものである。当時の当事者へのインタビューおよび資料収集の結果、後者は確認できないことが判明し、前者の説が正しいことが確認された。 今年度のまとめとして、上記の検証とともに、1960年代から1990年代までの政治参加運動と通信ネットワークとの関連を考察した。そこでの関連のメリットとディメリットを究明する中で、情報化社会における政治参加の現状と今後の改善点について,試行的な提案をおこなった。 これまでの活用状況は、データ収集・検索やメンバー間・内外間のコミュニケーション・ツールとしての側面が重視されてきたが、活動自体を変革するエンパワメント・ツールとしての側面が検討されなければないない。そのためには、組織活動における位置づけの変化が不可欠であり、それを可能にするツールの開発が必要である。 技術的発展と組織活動との変革が連関することで、新しい政治参加運動の潮流が形成されるのである。
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Research Products
(1 results)