2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12620081
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中園 和仁 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (40164206)
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Keywords | 「一国・二制度」構想 / 香港 / マカオ / 台湾 |
Research Abstract |
本年度は、2000年9月10日に実施された香港特別行政区弟二期立法会選挙を分析し、民主派勢力に取って代わり、着実に勢力を拡大する親中派政党の姿を明らかにした(季報国際情勢No.72)。また、今年9月と12月に、それぞれ実施されたマカオ返還後の最初の立法会選挙と、台湾の立法院選挙の現地調査を行った。マカオの立法会選挙は返還前と様変わりした。選挙違反の摘発が功を奏したため、比較的クリーンな選挙となり、一議席しかとれないと思われていた民主派が得票率を延ばし、二議席を確保するという番狂わせが起こった。しかし、全体の議席数からすれば、親中派勢力が圧倒的優位にあるため、行政長官主導の政治に全く変化は見られない。また、台湾の立法院選挙は、与党の民進党と、最大野党の国民党との争いと見られたが、民進党が議席数を延ばしたのに対し、国民党、ならびに新党は大きく議席数を減らした。代わって、もう一つの野党である親民党が躍進し、李登輝前総統が新しく設立した台連も健闘した。香港・マカオと違って、民主化が着実に発展している台湾では、選挙の度にその政治地図が大きく塗り替えられる傾向にある。本研究は、中国が「一国・二制度」構想の対象地域としている香港、マカオ、台湾という三地域の選挙を比較することによって、統一の可能性のヒントを得ようとするものである。
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Research Products
(1 results)