2000 Fiscal Year Annual Research Report
都市計画分析による社会資本論(パットナム)の検証-日本民主主義の条件の探求
Project/Area Number |
12620082
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
北原 鉄也 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10136301)
|
Keywords | 都市計画 / 民主主義 / 社会資本 / 政治文化 / 土地区画整理事業 / パットナム |
Research Abstract |
本研究は、都市計画の実際を素材に、人間関係のパターンをもとに民主主義や経済発展を説明しようとする社会資本論に依拠し、日本のそれらの現状を明らかにすることを意図している。本年は3年計画の初年度であった。 1 調査研究枠組みの構築 (1)R.パットナムによる「社会資本論」の検討およびそれをめぐる諸論争の検討を行った。 (2)日本における民主主義論、特に民主主義制度の運用の実際に関する諸研究の検討を行った(政治文化論等) (3)社会資本論をふまえた都市計画制度(特に土地区画整理事業)、その成果、政治・経済・社会的要素などの関係の理論化を試みた。 2 調査資料の収集 (1)日本における都市計画、特に土地区画整理事業に関する基礎データを収集した:都道府県別データの収集とその集約、および東京都、鳥取県、愛知県、福井県、愛媛県など、地域別の詳細調査の実施 3 調査研究の成果 (1)社会資本的要素を何によって指標化するかについては結論が得られかった:様々な世論調査などを利用 (2)都市計画、特に区画整理事業の運用の地域的多様性を明らかにできた:その違いは、都市化などハードな条件ばかりではなく、住民間の関係、住民と行政との関係など、いわゆる社会資本の構成要素からも生まれていることは明らかにできた。今後は、社会資本的要素の指標化につとめると共に、この実証データを体系的に処理することが課題となる。それを民主主義の実際と結びつけることが最終的な課題と考えている。
|