2001 Fiscal Year Annual Research Report
都市計画分析による社会資本論(パットナム)の検証-日本民主主義の条件の探求
Project/Area Number |
12620082
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
北原 鉄也 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10136301)
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Keywords | 都市計画 / 民主主義 / 社会資本 / 政治文化 / 土地区画整理事業 / パットナム |
Research Abstract |
本研究は、都市計画を素材に民主主義の条件を探求するものであり、本年度は具体的に都市計画、特に土地区画整理事業の実際を、包括的な数量的分析によって、さらに個別都市のケーススタディによって、同事業の存立条件を解明することを目指した。調査結果は次の通りである。 (1)包括的数量的検討では、国土交通省が初めて集計した包括的土地区画整理事業データを活用することで、実施;地域的偏差、都市化指数の規定力などは確認できたが、社会資本などの規定力など新しい発見は認められなかった。 (2)個別都市別分析:東京都、大阪府、福井県、愛知県の数都市を検討(昨年検討の鳥取県などを含めて検討、大都市・地方都市・中小都市および東日本・西日本の区分で都市を選択) ・積極的な地域では、行政当局、住民、団体(農協など)などいずれかの主体の積極性が認められる。それを規定する要因としては、これまでの区画整理の歴史・経験、経済的開発指向の強さ(経済的合理性)、住民の行政施策への姿勢(住民-行政関係が協力的か、敵対的か)などが指摘できた。 ・事業数の少ない西日本では行政当局の積極性やその能力が、事業数の多い東日本では住民側の開発意欲が重要であった。前者はまちづくりという公益が、後者は不動産価値増進が強調される傾向があった。 本研究の最終年度は、以上の都市計画調査を素材に、地域づくり、さらには民主主義の成立の用件を検討することになる。
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